遊びで家出できない理由【28歳:男性】

家出掲示板に書き込む女の子って、なにも遊びで書いてる訳じゃないと思うんですよ。

実際、俺が会った中学生の子もそうだった。

彼女の名前はきょうこ。家出掲示板で彼女の書き込みを見たのがきっかけで知り合った。

「誰でもいい。泊めてほしい」ただそれだけ書かれた書き込みに、その時の俺はひどく目を奪われた。

「良ければ話を聞くよ、何でも言って」そう返したメールに、きょうこは待ち合わせ場所と時間を指定してきた。

場所は都内。車を走らせればすぐの所だった。待ち合わせ場所にいたのは一人の少女だった。

声をかけると、その子がきょうこだとわかった。きょうこは一瞬、僕の姿を見ると無視して立ち去ろうともした。

「こんな時間に出歩いていたら、補導されちゃうよ」そう言うと、足が止まった。

「駅まで行きたいんです」不安げな様子でそう答えた彼女を説得し、一先ず車で送ることに。

適当な理由を付けて駅には直接向かわず、途中のファミレスでとりあえずごはんを食べることにした。

温かなご飯を前に少し緊張が解けたのか、彼女は少しづつ自分の事を話してくれた。

学校でのいじめに耐えきれなくなり、かといって親に相談する訳にも行かず、家出してしまったらしい。

涙をこぼしながら話すきょうこの頭を、俺は優しく撫でてやった。